理想的なスタイルを目指すために欠かせないのが、1日に必要なごはんの食材選びとその摂取方法です。
とはいえ、過度なカロリー制限や特定の食材だけを食べ続けると、体に負担がかかります。

「ダイエットに最適な食事の摂り方を知りたい!」
「ダイエットにおすすめの食材は何?」
「ダイエット中の食事で気を付けることって何だろう?」

このように思っている方へ向けて、当記事ではダイエットを成功させるための、一日の食事の摂り方とおすすめの食材をご紹介します。理想の体型に近づくためにも、ぜひ参考にしてください。

ダイエット中の食事で心がけたい3つのこと

ダイエット中の食事には注意点が3つあります。

  • 摂取カロリーを抑える
  • 栄養バランスを考える
  • 食物繊維を取り入れる

ダイエットを成功させるためには、適度なカロリー制限はもちろんのこと、栄養バランスに気を配ることも大切です。ダイエット中の食事について注意すべき3つのポイントを解説します。

1.摂取カロリーを抑える

「大阪公立大学大学院 生活科学研究科 食栄養学分野 由田克士教授」によると、ダイエットとは食事の量を制限したり、エクササイズや運動をしたりして減量すること。極端な摂取制限は、リバウンドの恐れがあるだけでなく健康に害を及ぼすとのことです。
つまりダイエットは食事制限と運動をセットで取り組むことであり、過度な食事制限だけでは健康的ではないということになります。

身体は摂取カロリーをエネルギーとしています。そして運動や基礎代謝に使いきれなかったカロリーは、体内に蓄積され脂肪に変化します。そのためダイエットは、蓄積されたカロリーを燃焼しながら、日々の生活に必要な食事をいかに取っていくかが大切です。

2.栄養バランスを考える

ダイエット中は、闇雲に摂取カロリーを減らせば良いのではありません。栄養バランスが取れた食事をすることが重要です。
過度な食事制限には、食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの健康維持に必要な栄養が不足するリスクがあります。

3.食物繊維を摂り入れる

食物繊維というと、「繊維」という言葉から、細いスジ状のものをイメージしがちな方が多いです。しかし食物繊維には「ネバネバ」したものから「サラサラ」したものまで、多くの種類があり「人の消化酵素では簡単に消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。

ではなぜ人間には食物繊維が必要なのでしょうか?
それは食物繊維は以下の生理機能に効果的に作用するからです。

  • 腸内の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)を増やし腸内環境を整える
  • 肥満や脂質異常症(高脂血症)の予防と改善
  • 糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防と改善

食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれていません。植物性食品に多く含まれるので、野菜やキノコを毎日のメニューに取り入れるようにしましょう。

ダイエットに最適な食事の摂り方

痩せるための食事の摂り方には、5つのポイントがあります。

  • 規則正しく朝食、昼食、夕食を摂取する
  • 夕食・間食は控えめにする
  • 一口ずつよく噛んで食べる
  • 汁物や食物繊維を最初に食べる
  • 糖質は控えめにする

ここからは、ダイエット成功のための食事方法を解説します。

1.規則正しく3食食べる

ダイエットには摂取エネルギーを少なくすることが重要です。とはいえ、一日あたり下記のカロリーが必要なため、しっかり摂取しないと健康を損ねる恐れがあります。一日3食正しく食事をしないと、一回あたりのカロリーの吸収率が上がってしまい体脂肪を増やすことにつながります

  • 成人男性:約1,500キロカロリー
  • 成人女性:約1,150キロカロリー

健康的なダイエットとは、適度な運動や生命維持に必要な基礎代謝での消費よりも、摂取エネルギーを少なくして体重を徐々に減らすことです。一日の基礎代謝量のカロリーを摂取できるように、朝食、昼食、夕食を規則正しく食べましょう。

2.夕食・間食は控えめにする

「秋田大学大学院 医学系研究科精神科学講座 三島和夫教授」によると、夜間には体内時計を調節する時計遺伝子の1つであるBMAL1(ビーマルワン)遺伝子とその蛋白質が活性化するとのことです。BMAL1の蛋白質は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持つため、夜に食べると太りやすくなります。

「独立行政法人 労働者健康安全機構 『ちょっとした食事のはなし』」によると、BMAL1は太陽光と関係が深く、14時頃に最も少ないため、この時間帯は食べても太りにくいとのことです。反対に22時以降はBMAL1が多くなり始めるため、夜遅い時間の食事は脂肪に変わりやすくなります。

「夜遅い食事は控えたいとはいえ、仕事だから仕方ない」という方もいます。そこで食が22時以降になる方々への対策をご紹介します。

  • 160カロリーを目安に、夕方頃に軽くお弁当を食べる(おにぎり1個、バナナ1本ほど)
  • 帰宅後の夕食は軽めにする(満足感が得られるコツは、具だくさんの味噌汁やスープなどをプラスすること)

寝る前の食事は消化されにくく、朝食を食べられなくなってしまい、昼食を食べすぎてしまいがちになります。極力22時以降の食事は控えるようにしましょう。

3.一口ずつよく噛んで食べる

食事の仕方もダイエットに関係します。

  • よく噛む
  • 食事に時間をかける

食べ物をしっかり咀嚼すると口中の刺激が脳に伝わり、「神経ヒスタミン」が分泌されます。神経ヒスタミンは満腹中枢を興奮させることで、お腹がいっぱい」と脳に感じさせることで食べ過ぎが防げるのです。

また早食いは血糖値を一気に上昇させます。すると、膵臓から大量の「インスリン」が分泌され血糖値を抑えると同時に、血液中の糖を脂肪細胞に取り込む働きも促されてしまうのです。結果、体脂肪の蓄積につながります。

4.汁物や食物繊維を最初に食べる

食事の最初に炭水化物などの糖質を摂取することも、早食いと同じように急激な血糖値の上昇につながります。そのため最初からお米などの主食ではなく、汁物や食物繊維が豊富な野菜などの副菜からゆっくりと食べ始めるようにしましょう。
急激な血糖値の上昇とインスリンの分泌量を抑えることは、糖尿病の予防にもなるのでおすすめです。

5.脂質は控えめにする

あらかじめ言っておきますが脂質は人間にとって欠かせない栄養素です。なぜなら脂質はエネルギー源として重要であり、細胞膜やホルモンの構成成分としても必要だからです。
ダイエットで重要なのは、摂取する脂質の種類と量です。そのため脂質の特性を知ることで、健康的に脂質を摂取することができます。すると、悪玉コレステロール(LDL)の増加を防ぐことができ、心臓病や動脈硬化のリスクを減らすことができます。

そこで注目すべきなのは食品に含まれる「脂質」の種類です。飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(多価不飽和脂肪酸と単価不飽和脂肪酸)、トランス脂肪酸などがあります。不飽和脂肪酸は体に良い影響を与えますが、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は健康に悪影響を及ぼすことがあります。

「文部科学省 高等学校家庭科指導資料集 第3章 食生活の設計と創造 12ページ」によると、脂質の種類と含まれる食品は以下のとおりです。

脂質の種類  食品名
飽和脂肪酸  バター、ラード、ココナッツオイル
単価不飽和脂肪酸  オリーブオイル、アボカド、ナッツ類
多価不飽和脂肪酸  魚油、フラックスシードオイル、チアシード
トランス脂肪酸  マーガリン、加工食品、揚げ物

主食になる炭水化物を血糖値が急激に上がりにくい食品に切り替えて、ダイエットを成功させましょう。

ダイエット中におすすめの食材と栄養素

健康的な野菜のイメージ

「主食のGIを下げればダイエットは大丈夫」と思っている方は、「どんな栄養素を摂取すればいい?」ということについても考えてみましょう。

基本的な要素は以下のとおりです。

  • 食物繊維:野菜やキノコで摂取
  • タンパク質:肉・魚・大豆などで摂取
  • ビタミン・ミネラル:フルーツや海藻で摂取

ここからは必要な要素と食べ物を選ぶポイントをご紹介します。

1.野菜やキノコで食物繊維を摂取

食物繊維については、先述した「3.食物繊維を取り入れる」でご紹介したとおりです。付け加えると、食物繊維には脂質や糖を吸着して排出する働きがあるため、ダイエットに効果的だと考えられます。
「高等学校家庭科指導資料集 第3章 食生活の設計と創造」によると、一日あたりの食物繊維の目標摂取量は、18歳以上の男性は17g以上、女性は19g以上とされています。
食物繊維が豊富な食品は以下のとおりです。

  • ごぼう
  • ふき
  • セロリ
  • アスパラガス
  • キャベツ
  • 白菜
  • さつまいも
  • ごぼう
  • こんにゃく
  • しいたけ
  • しめじ
  • えのき
  • 大豆
  • うずら豆
  • 小豆
  • 納豆

食物繊維は1g当たり0〜2kcalと非常に低カロリーのため、食べる量を増やしても安心です。

2.肉・魚・大豆などでタンパク質を摂取

タンパク質は肉や魚や卵などの動物性の食品や、大豆や豆腐、味噌汁、乳製品やヨーグルトといった加工品に多く含まれています。タンパク質は消化吸収されることで、血液や内臓、皮膚や毛などだけでなく、筋肉の構成成分にもなっているのです。
つまりタンパク質を摂取しないでダイエットをしてしまうと、筋肉量が減り基礎代謝量が落ちてしまう恐れがあります。

一口にタンパク質といっても、乳製品と大豆製品に含まれているタンパク質では異なります。そのため、タンパク質は単一の食品からだけではなく、複数の食品を組み合わせて摂取すると効果的です。
例えば、コンビニなどで購入できる鶏のささみのサラダチキンと、牛乳や豆腐、チーズや鰹節を組み合わせたサラダのレシピや、枝豆やスルメをおつまみに選ぶなど、タンパク質を意識した生活を心がけましょう。

3.果物や海藻でビタミン・ミネラルを摂取

ダイエットは体重を減らせば良いというものではありません。健康的に美しく痩せ、理想のスタイルをキープすることがダイエット成功と言えるのです。
ビタミンやミネラルが不足すると、代謝が下がってリバウンドの原因になってしまうこともあります。
ダイエット中に必要なビタミンと効果を多く含む食品は以下のとおりです。

ビタミン名効果多く含む食品
A目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つレバー、ウナギ、バター、卵黄、緑黄色野菜
B1糖質の代謝を助け、脂肪として蓄積されるのを抑える豚肉、ウナギ、玄米
B2糖質の代謝を助け、脂肪として蓄積されるのを抑える牛肉、豚肉、鶏レバー、ウナギ、納豆、卵黄、魚類、魚卵、ほうれん草
B6筋肉を増やし基礎代謝が上がる鶏ささみ、豚ヒレ、赤身魚、にんにく、バナナ、ピスタチオ、玄米
コラーゲンの合成を助ける赤ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草、果物
Dカルシウムの吸収をサポートして骨や歯を強くするサケ、サンマ、ブリ、イワシ、キノコ類
E抗酸化作用が強く老化を防ぐナッツ類、植物油、ウナギ、アボカド、かぼちゃ

ビタミンDは、食品から摂取するだけではなく体内でも作られるビタミンです。一日に数分日光を浴びるだけでもOKです。痩せやすい体質を作り、健康を保ちながらダイエットをするためにも、しっかりとビタミンを摂取しましょう。

ダイエットで気を付けたいこと5選

ダイエットは、健康的かつ継続して行うことが大切なので、以下の注意点に留意するようにしましょう。

  1. 極端な食事制限をしない
  2. 食事だけで痩せようしない
  3. 短期間で瘦せようとしない
  4. 薬やサプリメントばかりに頼らない
  5. ストレスを溜めない

ここからは、それぞれの注意点について解説します。

1.極端な食事制限をする

単品ダイエットや過剰な糖質制限、極端に食事量を減らすなどは厳禁です。
以下のリスクにつながる恐れがあります。

  • 髪のパサつき
  • 肌荒れ
  • 体調不良
  • 栄養不良

食事量が少ないと多くの栄養素やカロリーを確保しようとする体質になってしまいます。代謝が悪く痩せにくい身体になってしまうので、食事はしっかり摂るようにしましょう。

ストレスが溜まってしまい、肥満症や過食症などの人命にかかわる疾患にもつながりかねません。
女性は食事を抜いた過度なダイエットによるストレスから、ホルモンバランスを崩し生理不順になる危険性も高まるのでNGです。
正しい食事をして、適切な筋トレで筋力をつけて代謝を上げることが、ダイエットの一番の近道です。ストレスを溜めないようにきちんと食事を摂りましょう。

2.食事だけで痩せようとする

ダイエットをする時に食事だけで痩せようとする方は少なくありません。しかし、カロリー制限だけのダイエットは失敗しやすくリスクもあるのです。
食事制限だけで一時的に痩せたとしても、普段の食事に戻したらリバウンドしてしまう可能性が高いです。そのため適度な食事制限と運動をすることで、痩せやすい身体を作るようにしましょう。

コンビニなどで「0キロカロリー」の人工甘味料を使ったお菓子や飲み物を購入している方も多いです。しかし0キロカロリー食品を長期的に摂取するのはおすすめできません。
0キロカロリーの食品には、砂糖以外の人工甘味料で甘みがつけられています。たとえカロリー0でも血糖値の上昇を招くため、インスリンが分泌されます。その結果、血中の糖が脂肪として蓄えられることもあるのです。

また睡眠不足(4時間睡眠)を2日間続けるだけで、食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌は減少し、反対に食欲促進ホルモン「グレリン」の分泌が活発化するため食欲が増大します。
食事、運動、睡眠のバランスを取って規則正しい生活を心がけましょう。

3.短期間で瘦せようとする

短期間で痩せようとするダイエット方法は失敗する可能性が高く、何度も失敗を繰り返すうちに心が折れてしまいます。ダイエットの短期間で痩せてたとしても、身体の土台ができていないのでリバウンドしやすいです。
また運動をしないまま痩せたとしても、筋肉量が減り基礎代謝が落ちるため余計太りやすい体質になってしまいます。
せっかく我慢して痩せたとしても意味がありません。

4.薬やサプリメントばかりに頼る

「厚生労働省 医薬食品局 食品安全部 『健康食品の正しい利用法』」によると、サプリメント(通称サプリ)には2種類あります。

  • 栄養機能食品:国が制度を創設して機能表示などを許可
  • 健康食品:機能表示は認められていない一般食品

栄養機能食品は表示できる栄養成分と量に基準があります。ただし製造者が基準を満たしたという自己認証なので、「厚生労働省認可」などと謳っていても、何の成分が基準をクリアしているのかに着目しましょう。

健康食品は一般食品の扱いなので、薬機法規制の対象外になります。ただし健康食品にもかかわらず「痩せます」や「脂肪の吸収を穏やかにします」といった効果効能を標ぼうした広告をして販売すると薬機法に抵触します。

海外の薬やサプリメントなどは、日本で認められていない薬物が入っていて体調を崩す恐れがあるので注意が必要です。

5.ストレスを溜めないようにす

ストレスを感じたままダイエットするのは、継続するのが困難ですし身体への負担が大きいです。ストレスがかかった状態を続けることで、ストレスホルモン「コルチゾール」がずっと分泌され以下のリスクを引き起こす恐れがあります。

  • 成長ホルモンの働きを阻害し基礎代謝が低下
  • 筋肉量の低下
  • 理性や記憶を司る脳の前頭前皮質の萎縮
  • 短期記憶から長期記憶へと情報をつなげる脳の海馬の萎縮

コルチゾールは成長ホルモンの働きを阻害するので、身体は「食糧が不足している!」と思い込んでしまいます。すると基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体になってしまうのです。
また筋肉を分解してしまうので筋肉量も減少します。
それだけでなく、脳細胞が通常より早く死に、増えにくくなることで、短期記憶が低下していきます。
ストレスを溜め込まないように、適度な運動をしたり自分一人だけでなく好きな誰かと一緒にダイエットを実践したり筋トレに取り組むのもおすすめです。

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